アルコール代謝関連酵素の遺伝子タイプを調べる検査
アルコールに強いか弱いかや、アルコール関連疾患リスクを調べます

■対 象人間ドック・健康診断受診希望者
■料 金4,400円(税込)
※アルコール体質検査のみ、単独実施も可能です。
 単独検査をご希望の場合は、+2,200円の文書料を加算させていただきます。

■こんな人にお勧めします

□ 健康に飲酒を楽しみたい方
□ アルコール体質を知りたい方
□ 飲酒や喫煙の習慣がある方
□ 仕事や付き合いで飲酒する機会が多い方

アルコール体質検査は、痛みもなく、誰でも簡単におこなえる遺伝子検査です。

この検査では、アルコール代謝関連酵素(アルコール脱水素酵素ADH1B、アルデヒド脱水素酵素ALDH2)の遺伝子タイプを調べ、アルコールに強いか・弱いか、アルコール関連の疾患になり難いか・なり易いかを、5つのアルコール体質タイプで判定します。

アルコール体質検査をすることで、ご自身の体質的な特徴を理解し、アルコール関連の疾患(アルコール依存症や急性アルコール中毒、咽頭がん・食道がん・肝臓疾患など)への危険性を認識し、適度な飲酒を心がけることで疾患予防に貢献します。

ご自身の「適量」を科学的に知り、健康リスク回避にお役立てください。

■特 徴

アルコール体質検査は、口腔内粘膜を採取する遺伝子検査です。遺伝子を調べるため、基本的に一生に一度の検査で完了します。
ご自身のアルコール体質を知ることで、無理のない飲酒量や、アルコール関連疾患の予防に役立ちます。

なお、この検査ではアルコールパッチテストでは判らないハイリスク群の検出が可能です。

□アルコールはどのように分解されるのか

体内に入ったアルコールは、まず肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH1B)の作用によってアセトアルデヒドに分解されます。

アセトアルデヒドはアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の作用で酢酸に分解(代謝)されます。

血液によって全身をめぐり、筋肉や脂肪組織などで水と二酸化炭素に分解されて体外に排出されます。

体内に入ったアルコール

体内へ入ったアルコールは、胃で20%吸収され、残りの80%は小腸で吸収されます。その際、他の食品と異なり、消化は行われません。消化管(胃・腸などの消化を行う器官のこと)内のアルコールは飲酒後1~2時間でほぼ吸収されます。

胃・腸から吸収されたアルコールは、静脈から肝臓を経て濃度を薄め、全身に行き渡ります。アルコールは水に溶けやすい性質を持っており、血液に溶け込んでから数分のうちに全身に行き渡るといわれています。

□遺伝子とは

遺伝子の本体は「DNA(デオキシリボ核酸)」という物質です。
遺伝子は、人体の設計図であり、動物が種の保存を行うための情報群でもあります。
人間の細胞は約60兆個から成り立っていますが、その一つ一つに全ての遺伝子が含まれています。
顔かたち、体つき、病気のかかりやすさなどが遺伝子で決まるように、お酒の強さ・弱さもまた、アルコール代謝遺伝子の働きで決まります。

アルコール体質の5つのタイプと遺伝子型
アルコール体質タイプ
(割合)
アルコール
分解遺伝子
ADH1B
アルデヒド
分解遺伝子
ALDH2
体質の特徴
【A】(4%)低活性
(*1/*1)
活性
(*1/*1)
《翌日お酒が残りやすいタイプ》
アルコールの分解が遅いため血中アルコール濃度が下がりにくく、酔った状態が長く持続します。しかし、アセトアルデヒドの分解は速いので、お酒を飲んでも赤くなるなどの不快な反応が出にくく、大酒飲みにもっともなりやすいタイプ。飲み過ぎると翌朝までアルコールが残るので、早朝の車の運転や仕事がある場合は注意しましょう。度を超すとアルコール依存症に陥る危険性があります。節度ある飲酒を心がけましょう。
アルコール依存症に最もなりやすいタイプ
【B】(57%)活性
(*1/*2)
活性
(*1/*1)
《お酒好きになりやすいタイプ》
アルコールの分解が速く、また、アセトアルデヒドの分解も速いため、お酒を飲んでも赤くなるなどの不快な反応が出にくく、お酒好きになりやすいタイプです。しかし限度があり、そのぶん肝臓に負担がかかります。また、強いお酒にはアセトアルデヒドがたくさん含まれているので、ストレートで飲むのを好んでいる方は、咽頭や食道が直接アセトアルデヒドの攻撃を受けることになります。節度ある飲酒を心がけましょう。
高活性
(*2/*2)
【C】(2%)低活性
(*1/*1)
低活性
(*1/*2)
《お酒に弱いのに顔に出にくいタイプ》
アルコールの分解が遅いので、すぐに酔っ払った状態になります。しかも、顔が赤くなるなどの不快な反応が出にくいため、お酒に強いと勘違いしてしまいます。しかし、アセトアルデヒドがなかなか分解されないので、アセトアルデヒドに長時間攻撃されることになります。咽頭がんや食道がんになる危険性が最も高いタイプです。晩酌をされる方は、定期的に内視鏡で咽頭や食道を検査することをお勧めします。
飲酒で食道がんに最もなりやすいタイプ
!アルコールパッチテストでは判りません!
【D】(33%)活性
(*1/*2)
低活性
(*1/*2)
《お酒に弱くすぐに顔が赤くなるタイプ》
アルコールの分解が速く、少量のお酒でアセトアルデヒドがたくさんできてしまうので、すぐ顔が赤くなったり、不快な反応が出やすいお酒に弱いタイプです。こうした不快な反応に慣れてくるとお酒が飲めるようになりますが、アセトアルデヒドの分解が遅いため、アセトアルデヒドに長時間攻撃されることになります。咽頭がんや食道がんになる危険性が高いので、飲み過ぎに注意しましょう。
高活性
(*2/*2)
【E】(4%)低活性
(*1/*1)
不活性
(*2/*2)
《お酒がまったく飲めないタイプ》
アセトアルデヒドが分解できず、少量のお酒で不快な反応が出てしまうので、お酒が全く飲めないタイプです。このタイプの人にはお酒は毒です。勧められても無理して飲まないようにしましょう。
活性
(*1/*2)
高活性
(*2/*2)

※割合は検査委託先調べ7,266名を対象としたデータより

アルコール体質タイプ(割合)
【A】(4%)
アルコール分解遺伝子ADH1B
低活性(*1/*1)
アルデヒド分解遺伝子ALDH2
活性(*1/*1)
体質の特徴
《翌日お酒が残りやすいタイプ》
アルコールの分解が遅いため血中アルコール濃度が下がりにくく、酔った状態が長く持続します。しかし、アセトアルデヒドの分解は速いので、お酒を飲んでも赤くなるなどの不快な反応が出にくく、大酒飲みにもっともなりやすいタイプ。飲み過ぎると翌朝までアルコールが残るので、早朝の車の運転や仕事がある場合は注意しましょう。度を超すとアルコール依存症に陥る危険性があります。節度ある飲酒を心がけましょう。
アルコール依存症に最もなりやすいタイプ
アルコール体質タイプ(割合)
【B】(57%)
アルコール分解遺伝子ADH1B
活性(*1/*2)/ 高活性(*2/*2)
アルデヒド分解遺伝子ALDH2
活性(*1/*1)
体質の特徴
《お酒好きになりやすいタイプ》
アルコールの分解が速く、また、アセトアルデヒドの分解も速いため、お酒を飲んでも赤くなるなどの不快な反応が出にくく、お酒好きになりやすいタイプです。しかし限度があり、そのぶん肝臓に負担がかかります。また、強いお酒にはアセトアルデヒドがたくさん含まれているので、ストレートで飲むのを好んでいる方は、咽頭や食道が直接アセトアルデヒドの攻撃を受けることになります。節度ある飲酒を心がけましょう。
アルコール体質タイプ(割合)
【C】(2%)
アルコール分解遺伝子ADH1B
低活性(*1/*1)
アルデヒド分解遺伝子ALDH2
低活性(*1/*2)
体質の特徴
《お酒に弱いのに顔に出にくいタイプ》
アルコールの分解が遅いので、すぐに酔っ払った状態になります。しかも、顔が赤くなるなどの不快な反応が出にくいため、お酒に強いと勘違いしてしまいます。しかし、アセトアルデヒドがなかなか分解されないので、アセトアルデヒドに長時間攻撃されることになります。咽頭がんや食道がんになる危険性が最も高いタイプです。晩酌をされる方は、定期的に内視鏡で咽頭や食道を検査することをお勧めします。
飲酒で食道がんに最もなりやすいタイプ
!アルコールパッチテストでは判りません!
アルコール体質タイプ(割合)
【D】(33%)
アルコール分解遺伝子ADH1B
活性(*1/*2)/ 高活性(*2/*2)
アルデヒド分解遺伝子ALDH2
低活性(*1/*2)
体質の特徴
《お酒に弱くすぐに顔が赤くなるタイプ》
アルコールの分解が速く、少量のお酒でアセトアルデヒドがたくさんできてしまうので、すぐ顔が赤くなったり、不快な反応が出やすいお酒に弱いタイプです。こうした不快な反応に慣れてくるとお酒が飲めるようになりますが、アセトアルデヒドの分解が遅いため、アセトアルデヒドに長時間攻撃されることになります。咽頭がんや食道がんになる危険性が高いので、飲み過ぎに注意しましょう。
アルコール体質タイプ(割合)
【E】(4%)
アルコール分解遺伝子ADH1B
低活性(*1/*1)/ 活性(*1/*2)/ 高活性(*2/*2)
アルデヒド分解遺伝子ALDH2
不活性(*2/*2)
体質の特徴
《お酒がまったく飲めないタイプ》
アセトアルデヒドが分解できず、少量のお酒で不快な反応が出てしまうので、お酒が全く飲めないタイプです。このタイプの人にはお酒は毒です。勧められても無理して飲まないようにしましょう。

□体への影響は

アルコールが代謝されてできるアセトアルデヒドには非常に強い発がん性があり、咽頭がんや食道がんの原因になることが世界保健機関(WHO)によって認定されています。

口腔・咽頭・食道がんは、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の働きが弱い人に複数発生(多発がん)する傾向があり、もともとお酒に弱い人だけではなく、「飲み続けるうちにアルコールが飲めるようになった」という人も、ALDH2の働きが弱いと考えられます。

適量のお酒は心身の緊張を和らげ、ストレス発散に効果的と言われます。しかし、体質や飲み方によっては、急性アルコール中毒や、がんなどの疾患に繋がる可能性があることを忘れてはいけません。

ご自身の体質を知って適量の飲酒を心がけることと、肝臓などの定期的なチェックを行うことが大切です。

アルコール体質と食道がんのリスク
飲酒による身体への影響

□検査方法は

ほほの内側を専用綿棒でこすり口腔内粘膜を採取して、専門機関で分析します。
※検査は当院内にて、スタッフ監修のもとおこないます。

□注意点は

  • 検査前の30分間は飲食厳禁です
  • 検査直前に口をよくすすいでください